陶器の経年変化をわかりやすく説明

経年変化

陶器は粘土を原料として形を作り素焼きされますが、そのまま作品になるものもあれば、素焼きした上に釉薬をかけて高温で焼いて作ったものもあります。釉薬をかける前のものは水を通しやすく、又、柔らかいという性質があります。萩焼や志野焼、信楽焼等が有名ですが、これらの土味の柔らかい焼きものは経年変化がわかりやすく表れます。

よく萩の七化けといわれますのがその例です。柔らかい白い釉薬のかかったものが、使い初めの頃は白さが際立つものであったのが、いつの間にかうっすらとピンクの色合いが出てきたり、あるいは、薄い灰色がかった色合いが出てきたりすると共に、貫入という細かい網目上のひびが焼物の表面に表れてきます。水を通し易く又柔らかいという性質から、長い間には貫入自体が模様をつくり陶器の表情も落ち着きや場合によっては激しさが表れるようになります。

これを経年変化といいますが、これは、焼成後の窯出しの瞬間からはじまるといわれ、窯出しの際にピシッピシッと金属性の音がするのは温度差により生じた変化です。陶器の経年変化という性質を理解して湯通ししてから使うとか、使用後はよく乾かすなど手入れや保管方法に注意して陶器を美しく使うようにしたいものです。